2004年10月08日

★兌換券を知っていますか?★

兌換券と呼ばれたこの紙幣、1990年代初頭に廃止された中国の紙幣である。
(兌換券;右と人民元;左) クリックで拡大↓
FEC2    RMB2

人民元と並行して発行され二重貨幣として発行・流通・使用されたものだ。当時RMB(人民元)と言う表記に対し兌換券はFECと表記された。「タバコ1個;FEC \10」と言った感じだ。
昨晩引出しの整理をしていたら出てきたのである。懐かしいが50元、100元と言った高額紙幣は残っていなかった。

この兌換券だが使用は中国へ入国した外国人に限られる。と言うより外国人は外貨を両替すると兌換券しかもらえず人民元は入手できない仕組みであった。

外国人は人民元を使用することを禁じられておりまた人民も兌換券を使用することは禁じられていた。
外国人が人民元を所有するだけで罰せられたのだ。また兌換券は帰国の際不必要になれば外貨から兌換券に両替した証明書があれば外貨に戻せた。証明がない場合はあきらめるしかないのだ。また人民元は絶対に外貨には戻らなかった。
兌換券=外貨だったのだ。よって仕組み上人民の手には入らぬ仕組みになっていた。


兌換券は限られた兌換券使用可能な施設でしか使用できず、それ以外のところでの使用はできなかった。
要するに外国人専用のホテル・レストラン、旅行社、そして友誼商店等の限られた場所でしか外国人は消費できなかったのだ。もちろんそれらの施設は人民の使用する、あるいは買い物する施設にはない豪華さとそこでしか入手できない商品があった。当時外人は乳牛から絞られたミルクが飲めるのだが人民の口には脱脂粉乳しか入らないのだ。もちろんタクシーなど上海でさえほとんど無くホテルの車しか頼るものが無かった。

またいくらお金があってもタバコなど配給性の物資は配給券で決められた数量しか購買出来ない人民に比べると兌換券の使えるお店へ行けば制限なく入手が可能であった。電気製品なども人民には入手できぬようなものも兌換券の使えるところでは購入できたのだ。当時の中国の市場には欲しくてもまったく商品が無かったのだ。
商店・デパートはほとんど国営で大きなショーウィンドウには時代遅れのの商品がまばらに陳列されており物の豊かな日本から比べると品数も物量も品質も貧弱な寂しい、涙の出るほど寂しい様子だった。兌換券を持つ外国人はある意味では特権階級だったのだ。


この紙幣の目的はもちろん外貨の管理をする事、そして経済的な部分を利用して外国人の中国国内での行動を制限することであった。、腐敗し堕落した資本主義思想を持った外人との接触を減らし純粋な人民の社会主義思想が汚染されるのを防ぐためなのだ。外人を経済的行動範囲を決めつけることによって人民から隔離するのだ。

しかし後になって外国人用のお店でしか手に入らない商品を欲する物的欲望や外貨を必要とする中国企業・実業家・ビジネスマンや留学希望者、密航希望者の需要で兌換券が闇で売買されるようになった。

個人的な売買から大きな取引を専門で中継ぎする闇両替商も存在し、大きな金額だと売り手と買い手の間のレート交渉なども代行していた。

人民元1に対し兌換券1.2〜2倍前後だった。特に外貨が高く売れたのは福建省など南方の都市だった。地方都市の駅などでよく両替を人民にせがまれたものだった。そのような両替(売買)が発覚すれば外人は国外強制退去であった。

兌換券が廃止され十数年たった今、髪を染めジーンズを履き欧米の音楽にあわせてディスコで踊っている中国の若者たちを見るとなにやら不思議な思いがする。たった十年そこそこだ。

また余談だが人民元の写真を見ていただくとその疲労度に気が付くと思う。
これでも一生懸命しわを伸ばしたのだが受け取ったときはくしゃくしゃ、と言うより握りつぶしたような状態だった。中国人民のお金の扱いは雑であり、労働者階級などは財布やバッグを持たずポケットに丸めてお金を入れている。本当にくしゃくしゃで腹が立ったりもする。おつりを貰っても一枚ずつ広げしわを伸ばし再度重ね合わせもう一度しっかりとしわを伸ばし直さないと財布にも入らぬ常態だ。

そして今は少なくなったが国営が全盛だった頃、お釣りをカウンターに投げつけて渡すと言ういわゆる投げ銭も当時は腹が立った。Asukalはお賽銭箱ではないぞ!と思ったりもした。商売人としてお金の取り扱いはとても気になる方で、札束の裏表、転地などきっちりそろえないと気が済まぬ性分なのにこのくちゃくちゃ紙幣と投げ銭は血圧を上げてくれた。


posted by Asukal at 15:46| 香港 | Comment(0) | TrackBack(0) | 中国聊天 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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